はじめに
新年度が始まる4月。雰囲気のいい教室で、自分も子どもも楽しく1年間を過ごしたいと思いませんか?
4月は、学級にとって超肝心!4月をどう過ごすかは、学級の1年間に大きく影響してくるのです。 しかし、
始業式までの準備期間で、もうヘトヘト!始業式の後のことまで考えられていないよ〜
という先生もいるかと思います。
そこで、始業式が終わった後、4月のうちに実践することをおすすめする作戦を2つ、ご紹介します。この2つの作戦を実行すれば、学級をいい感じにスタートするための手助けになるのではないかと思います。ぜひご覧ください!
4月に実行したい2つの作戦
結論からいうと、まずこの2つの作戦を行うのがおすすめです。
- 作戦1:自分が「許さないこと」を伝える
- 作戦2:リーダー格の子・目立つやんちゃな子を個別に褒める
順番に解説しますね。
作戦1:自分が「許さないこと」を伝える
自分が「許さないこと」は子どもにはっきり伝えましょう!
え〜っ、そんなの雰囲気悪くなりそう〜
と思われるかもしれません。しかし、楽しい学級を作りたいからこそ、NG行為ははっきりさせておくべきです!
例えば私なら、「①人を不幸にすること」「②何度注意しても改善の意思が全く見えないこと」「③命に関わる危険行為」の3つは許さないとはっきり伝えます(もちろん、担任する学年によって言葉は噛み砕きます)!
そしてたとえ初日でも、このような行為があった場合は注意します。4月の段階なら、厳しい言い方をしなくても、伝わるケースが多いです。4月以降に叱る際も、相手を納得させる理由のひとつになります。
また、自分が「許さないこと」をはじめに伝えるのは、子どもにとってだけでなく、自分にとってもメリットがあります。
叱るかどうか迷ったり、感情で叱ったりすることが、ぐっと減るのです。自分のメンタルの安定につながります。担任教師のメンタルが安定していると、楽しい学級になることが多いです。
このように、担任が「許さないこと」を言語化し、子どもと共通理解しておくことは、とても大事だといえます。
この作戦を実行するためには、下準備が必要なので、ぜひこちらの記事もご覧くださいね。
【新年度を前に】4月の学級びらきまでに取り組むといいこと2選
作戦2:リーダー格の子・目立つやんちゃな子を個別に褒める
学級のキーパーソンは、4月のうちに、一人ひとり個別に呼んで褒めましょう!目的は、リーダー格の子ややんちゃな子に、学級を楽しませる雰囲気をつくってもらい、担任の味方になってもらうことです。
例えば、リーダー格の子には、「○○先生(昨年度の先生)がすごく○○さんを褒めてたよ。○○してくれていたらしいね。今年も力を貸して欲しい」と、個別に伝えます。
力を貸して欲しい、助けて欲しいと伝えるのがポイントです。
だって、私たち大人も、人に頼られたら嬉しいですよね。リーダー格の子は、より力を発揮してくれます。しかも、個別に呼ぶことで、「あなたは特別だ」と伝えることができます。
また、手がかかるやんちゃな子も、わざと個別に呼び出して褒めます。これも、個別に呼ぶというのがポイントです。
やんちゃな子たちは、褒められる経験があまりないです。頭の中に、「教師に呼び出される=叱られる」の方程式が成立していることでしょう。
その裏をかきます。
人間、思っていたことと逆だったときのインパクトは大きいからです。
やんちゃな子は、いい方向にエネルギーを使えば、クラスのムードメーカーになってくれます。ぜひとも「わざと呼びつけて」褒めてあげてください。
私自身のエピソード
私自身のエピソードを紹介します。
「友達に暴言を吐くし、教師には生意気な口を聞く。授業中に、文句を言うことも多い」と申し送りを受けていた子に対して、作戦2を実行しました。この子を、Aさんとしますね。
Aさんは、サッカーが得意で、休み時間のサッカーでは中心人物でした。そこで、新年度が始まって2、3日後のこと。「ちょっと、ちょっと」とわざと別室に呼んで、話をしました。
さっきのサッカー見てたよ。よく周りを見てパスを受けて、すげえなあ。○○先生が、Aさんのことを『すごい』って言ってたけど、ホントみたいだね。
Aさんの力を見込んで、なんだけど…。1年間、力を貸してくれる?Aさんは、みんなに声をかけることができるって聞いてるからね。
きっとAさんは、このクラスのリーダーになれるよ。頼むね!
この話をしたことで、見事Aさんは、その場で劇的にリーダーへと変貌した!…なんてことはありません。そんなに都合よくはいきません(笑)
たしかにAさんは、友達への言葉はきついし、煽る発言も目立ちます。叱ることは度々ありました。しかし、思ったほど、担任の私への生意気な口の利き方はありませんでした。そして、2学期や3学期には、実際に学級会でまとめ役を担ってくれましたし、意欲的にアイデアを出していました。行事への参加も積極的で、学級のみんなを盛り上げてくれました。
私の作戦に、実は効果があったことは、1年後に分かりました。年度末、保護者の方に、こんなことを言われたからです。
「さいしょらへんに、うちの子のこと褒めてくれたんですよね?なんか、あれがすごく嬉しかったみたいなんですよね〜。めずらしくはりきってました(笑)」
Aさんは1年間、態度が悪い時はあっても、私の中では頼りになる存在でした。
おわりに
いかがだったでしょうか。1年間を楽しい学級で過ごすために、実践するといいことは、少し調べればたくさん紹介されています。ぜひ調べてみられてくださいね。
数ある実践の中でも、私が特におすすめするのは、
- 作戦1:自分が「許さないこと」を伝える
- 作戦2:リーダー格の子・目立つやんちゃな子を個別に褒める
ご紹介した2つの作戦です。ぜひとも4月の初めに試してみてくださいね!
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