はじめに
「教員夫婦って、二人で安定収入があるから余裕でしょ?」
こんなニュアンスの言葉を、これまで何度もかけられてきました。
悪意があるわけではないのも分かります。
むしろ、世間一般のイメージとしては自然なのかもしれません。
でも、実際に教員夫婦として生活してみると、
この一言ではとても言い表せない現実がある、と感じています。
りこぴん私たちは、資産形成に勤しむ、子育て真っ最中の30代教員夫婦です。
この記事では、
- 教員夫婦は本当に「お金持ち」なのか
- なぜそう見られやすいのか
- その裏側で、どんな忙しさや不安を抱えているのか
- その中で、なぜ倹約や投資という選択をしてきたのか
このあたりを、私たち自身の経験や、身の回りの教員世帯の様子をもとに、正直に書いてみようと思います。
「二人で稼いでるんだから余裕でしょ」と言われる理由
教員夫婦が「お金持ちそう」に見える理由は、このあたりでしょう。
- 共働きで、毎月決まった収入がある
- 会社倒産のようなリスクが低い
- ボーナスがある
- 住宅ローンが組みやすい
数字だけを切り取れば、たしかに安定しています。
30代以降で、夫婦ともにフルタイムで働いていれば、世帯収入1000万に届くケースも珍しくありません。
だからこそ、
「余裕があって当然」
「お金の心配はあまりしてなさそう」
と思われやすい。
このイメージ自体は、間違いではありません。
ただそれは、“数字の面だけでの話”だと感じています。
教員夫婦の現実①:とにかく、日々が忙しい
まず大前提として。
教員という仕事は、間違いなく忙しいです。
- 授業準備
- 校務分掌
- 資料作成
- 行事対応
- 保護者対応
- 突発的なトラブル
常にこれらに追い回されます。
しかも、夫婦そろって教員だと、
- 毎日どちらも繁忙期のような状態
- 家に帰っても、二人とも仕事モードが抜けにくい
です。
ここに子育てが加わる。





自分たちで選んだ道とはいえ、毎日ヘロヘロです。
なんとか溺れずに泳いでいる、という感覚。
「時間」を価値あるものと捉えたとき、
果たして時間がない状態は、豊かと言えるのでしょうか。
ちなみに我が家では、iPadなどのデジタルツールを駆使。
仕事や家事の効率を上げ、
少しでも「時間や快適さを生む」工夫をしています(このあたりは、別記事で詳しく書いています)。


教員夫婦の現実②:心を病むリスクと隣り合わせ
教員という仕事は、
メンタルを削られやすい仕事でもあります。
- 責任の重さ
- 人間関係の濃さ
- 正解のない判断の連続
- ワンオペ業務で逃げ場が少ない
ニュースなどで目にすることも多いでしょう。
これが、夫婦二人分。
どちらかが不調になると、家計も生活も、一気に不安定になる可能性があります。
だから私たちは、
「なんとかなるだろう」
ではなく、
何かあったときに、耐えられる状態にしておきたい
と考えるようになりました。
実際、仲の良い教員仲間が心身の不調で離脱していく姿を、何度も見てきましたからね。



決して他人事ではありません。
だから「何もしないリスク」を選ばなかった
よく言われます。
「2人で教員なら、お金持ってるでしょ?」
「いいなあ、安定してて」
でも、私たちの感覚は少し違います。
- 仕事が、ずっと今の形で続く保証はない
- 心身ともに、今と同じパフォーマンスを維持できるか分からない
- 家族ができた以上、自分の満足だけで働くわけにはいかない
という感覚。
やはり、子どもが生まれたことが大きかったです。



夫婦ふたりだけなら、多少無理をしても、なんとかなっていました。
子どもが生まれる前は、自分たちのことしか考えていませんでしたから。
しかし家族が増えると、
教育費、住まい、時間の使い方――
すべてが変わってきます。
そう考えたとき、
「何もしないこと」のほうが、怖く思えました。
私たちがまず取り組んだこと
とはいえ、突飛なアクションを起こしたわけではありません。
- 固定費を見直す
- 不必要な流動費を削る
- 車やモノは、中古も検討
- 考えなしのローンは組まない
など。
オーソドックスな倹約術ですね(笑)


家族が増えたことで、住宅のことも考えていますが、
「とりあえず展示場に行ってみる」という行動は取っていません。



行くと欲しくなるに決まっていますから(笑)
まずは、
- 今の生活で困っていること
- 家族でどんな時間を過ごしたいか
- 住居費として無理のない範囲はどこか
などを夫婦で何度も話し合い、ベストの選択肢を模索中です。


少しずつ、投資も始めた
出費をコントロールする意識ができてから、
- 高配当株
- インデックス投資
といった、将来に向けた投資にも、無理のない範囲で少しずつ手を出しました。
正直、私はかなり不安でしたね。



投資を始めて数ヶ月間はずっと含み損でしたし、私自身はかなりのビビりですし(笑)
何事も「えいやっ!」と始められる妻がいなければ、
投資には踏み出せなかったと思います。




投資資金は、教員夫婦の二馬力と、生活費を抑えて生まれた余剰資金から捻出しています。
攻めているけど、ギャンブルはしていない
私たちは、
- 一発逆転
- 短期で爆益
- グロース株で夢を見る
こういった投資はしていません。
……いや、そりゃ、爆益が出るなら欲しいですけどね(笑)
ただ、爆益と爆損は隣り合わせ。
狙っているのは、
- 生活を壊さない
- 心をすり減らさない
- 教員を続けながらでもできる
そんな範囲でできる、可能な限りの「攻め」です。
自分たちから攻めていかないと、きっと金利上昇・インフレの波に飲まれてしまう。
ただ、生活のため、家族の豊かさを生むためには、預貯金・現金も大事です。



フルポジ(資産のほぼ全てを投資に回す状態)にならないよう、資金管理には気をつけています。
「お金持ち」かどうかより、大事にしていること
結局のところ、
「教員夫婦って、お金持ちなの?」
という問いへの答えは、
「そう見えるかもしれないけど、楽ではない」
だと思っています。
二人で稼いでいる分、
- 忙しさ
- 責任
- 消耗
これらも、二人分です。
だからこそ、
- 身の丈に合った生活を心がける
- 自分たちにとって納得できるお金の使い道を考える
- 教員夫婦の二馬力を、将来の安心につなげていく
といったことを、我が家は大切にしています。
同じように悩んでいる人へ
もし、
- 共働き夫婦
- 子育て中
- 将来がなんとなく不安
そんな立場で、



このままで大丈夫なのかな?
と思っている人がいたら、
その感覚は、たぶん間違っていません。



私たちも同じように悩み、考え、行動してきました。
もっと良い選択肢があったかもしれない。
もっと上手いやり方もあったかもしれない。
それでも、数字でシミュレーションし、行動した結果、
長女が生まれた頃に感じていた「ぼんやりとした不安」は少しずつ和らいでいます。
この記事が、
同じような立場の誰かの、考えるきっかけになれば嬉しいです。
ではまた。







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