はじめに
みなさま、日々お疲れ様です。
今日は、
子どもに向けた話し方
のスキルを上げよう!というテーマでお話をしていきます。
教師やってるけど、人前で話すのは苦手なんだよねぇ…
面白い話できないし、いっつも話にまとまりがなくなっちゃう…
とお悩みの先生方。
ご安心ください。私も、同じです。
流れるように分かりやすい話ができる人を見ると、「いいなー」って思います(笑)
しかし、教員は、芸人ではありません。
人を笑わせる必要も、上手な話をする必要もないんです。
目的は、子どもの成長を促すことですよね。
面白い話はできなくても、成長を促す話の仕方は、ポイントを押さえればできます。
一緒にやり方を考えてみませんか?
ではいきます!
「指示」と「語り」を区別しよう
本題に入る前にまずは、自分が話す内容が、
- 指示
- 語り
どちらなのかを区別しましょう!というお話をします。
どちらの内容の話かによって、話の仕方が変わるからです。
子どもの前に立ったときはまず、話す内容が「指示」なのか「語り」なのか、明確に脳内で区別します。
具体的に違いを言うと、
- 「指示」とは、「具体的行動を示すもの」
- 「語り」とは、「子どもの成長を促す話」
です。
私はわかりやすく、
- 「指示」のときは「指示をします」
- 「語り」のときは「話があります」
って、まずはじめに子どもたちに宣言してます。
指示は、ショート&シンプル
「指示」は、子どもに「なにをするのか」、具体的に示すのが目的。
たとえば、
- 手をひざにおいてください
- 10:30に体育館に集合してください
なんかが指示ですね。
話し方は、ショート&シンプルが原則です。
短ければ短いほど。
簡潔であれば簡潔であるほど、いいです!
「語り」はちょっと違う
今回の記事で説明するのは、「語り」の仕方。
教員として、子どもたち全体に
「成長を促したい」
「課題を改善してほしい」
と思う場面、多々ありますよね?
そんなときに、どんな話をして、どんな指導をするのか考えていきます。
学級全体に向けた話し方を中心に考えますが、対個人でも使える部分があると思います。
ぜひ最後までご覧ください。
プラン1:問いを入れる
子どもに語るときは、「問い」を入れましょう。
子どもたちに、課題を自分ごととして捉えさせるためです。
どんなに熱い思いがあっても、一方通行な話し方では、子どもに伝わりません。
「問い」を入れることで、一瞬でも、相手に考えさせる瞬間が生まれます。
小学校でよく使えるのは、こんな問い。
- 「これ、いいこと?」
- 「みんなは、どう思う?」
- 「なんでだめなの?」
鉄板ですが、大事な問いです。
具体的に、活用の仕方を考えてみましょう。
教室の中で走り回る子への指導
よくある指導の場面と、流れです。
例えば、教室の中で走り回って、遊んでいる子たちがいたとします。
教室内で走り回ることをやめさせたい
と思って、学級全体に話をするとしましょう。
以下の2つの話し方を比べてみてください。
<A>
全員、聞きなさい!
さっきの休み時間に、教室内で走り回ってる人がいました!
教室内で走り回っちゃ危ないでしょ!
次にしたら許さないよ!
<B>
さっきの休み時間での過ごし方について、お話があります。
聞いてください。
教室の中で走り回ってる人が、5人もいました。
教室の中で走り回って、いいの?
いかがでしょう。
<B>の話し方をした方が、一瞬、相手に考えさせる余地が生まれませんか?
きっと子どもたちは、「よくなーい」って返してくれるでしょう(笑)
教師側と、聞いている子ども側との間で、問題を共有することができます。
そしてここから、さらに問いを投げかけます。
そうだよね、先生もだめだと思う。
何で、教室の中を走り回ったら、だめなの?
おそらく子どもたちは、
「危ない」
「けがする」
「ものを壊しちゃうかも」
と口々に反応するでしょう。
この「何で?」の問いは、超絶大事。
全体に向けた話をする際は、なぜわざわざ時間をとって全体で話をしているのか、理由を確認しないと、納得感が生まれないからです。
私なら最後に、ダメ押しで
じゃ、これからは、教室ではどんなふうに過ごす?
と確認します。
きっとみんなで
「友達とおしゃべりする」
「本を読む」
「暴れないように過ごす」
など言ってくれるでしょう(笑)
ご紹介した具体例は、対個人への指導でも使える鉄板の流れです。
覚えていて損はありません。
「問い」が生むさらなるメリット
「問い」を交えて伝えると、一方的に怒鳴り散らすよりも、話の内容が子どもに伝わりやすくなります。
それだけではないメリットもあります。
- 相手に意思決定を委ねる指導ができる
- 教師の味方をたくさんつくることできる
かんたんに説明しますね。
相手に意思決定を委ねられる
問いを使うと、相手に意思決定を委ねられます。
一方的な指導や、高圧的な指導で終わらせると、今後の自発的な行動にはつながりません。
子ども自身から言葉を引き出すことで、よりよい行動を、自分で決めさせることができます。
「子ども自身が言葉にした」ってのが大事。
教師の味方をたくさん作れる
全体に「問い」を投げかけることで、教師の味方をたくさんつくることができます。
教師の指示やルールを守らないやんちゃもんは、学級に一定数必ずいます(笑)
そんなやんちゃもん達は、個別に教師に注意されただけでは、内容が響かなかったり、こちらに反発したりする可能性があります。
だから、
その他の大多数の子どもたちを味方につけて話をします。
学級全体に、
教室の中で暴れるのは、いいこと?
と聞くと、大半の子が、
よくなーい!
って答えるはずですよね。
すると学級全体が、「教室で暴れたらだめだよね」って雰囲気になるんです。
教師だけでなく、子どもたちも交えてつくった雰囲気です。
教師の味方がたくさんいる状態です。
これで、教室内で暴れちゃった子たちとしては、
「先生から言われた」というより、「全体から注意を受けた」構図になります。
学級全体を敵に回すのは、やんちゃもんたちも嫌です。
行動の改善を促しやすくなりますよ。
以下の記事で紹介している指導も、実はこのテクニックを取り入れています。
宜しければ、合わせてご覧ください!
【教室環境=学級経営】教室はきれいに使おう!
プラン2:エピソードを交える
何か伝えたいことがあるときは、エピソードを交えるのもおすすめです。
できれば教師の失敗談を!
自分が知っている偉人の話でもいいし、自分が経験したことでもいいです。
エピソードを語るのが苦手な人は、
- 〜年前の話なんだけど…
- 先生が〜歳の時の話なんだけど…
みたいな言葉から、話を始めましょう。
子どもたちの興味を惹くことができます。
例えば、
先生が2年生の頃の話なんだけどね。
梅雨の時期に、ずーっと外で遊べないことがあったんだよ。
つまんないよね。
そのとき、教室で追いかけっこが始まったの。
先生も思わず参加しちゃってね。
調子に乗った先生は、机に思い切り足をぶつけました。
いた〜い思いをしたことがあるんだよ。
とかですね。
子どもは、教師の失敗談が大好物です(笑)
ただ指導するより、自分の失敗談を交えた方が、聞きます。
「問い」で締めよう!
また、このような話には、終わらせ方にもコツがあります。
「問い」で終わることです。
- この話を聞いて、どう思った?
- このことから、先生は、何を学んだと思う?
教師が言いたいことのまとめを、自分が説明するのではなく、子どもに投げかけます。
「問いで終わる!」と思ってると、話すのがぐっと楽になりますよ!
話の仕方も、押し付けがましくなくなります。
プラン3:理由をはっきり伝える
さきほども少し触れましたが。
全体の前で語る理由をはっきり伝えましょう。
俺には関係ねーし
って思いながら聞いてる子どもが一定数いるはずだからです(笑)
自分はよく、ストレートに、「なぜわざわざ全員の前でこの話をしたか、分かりますか?」と子どもに問います。
ここで、子どもが「分からん」って表情をしても構いません。
先ほどの事例なら、例えば
全員に関係することだからです。
このまま教室で暴れるのを「当たり前」と思って放っておいたり、自分が一緒になって遊んだりしたら、事故や怪我に巻き込まれるかもしれないでしょ?
そうなる前に、みんなが心がける必要があります。
みたいな話をします。
全体指導って、授業時間を少々削って行うケースが多いと思います。
授業時間を使ってでも、なぜ教師の話を聞く必要があったのか。
子どもが納得できるように、理由を説明したいところですね。
とくに高学年に話すときに心がけたいです。
おわりに
ここまでご覧くださり、ありがとうございました。
簡潔にまとめたかったのですが、思ったより長くなってしまいました(笑)
教員って、指示だけじゃなく、語る機会も本当に多いんです。
それだけに、思ったようにうまく話せず、もどかしい思いをしてしまうことがたくさんあります。
でも、
「こんな話し方をすればいい」
「こんな言葉を使うといい」
と思うだけで、そのもどかしさはかなり消えると思います。
あとは、どんどん、使ってみて下さい。
使って、試して、だんだんと自分の言葉にしていってもらえたらいいなあと思います。
上手な話はできなくてもいいです。
「伝わりやすい話し方」ができることを目指していきましょう!
ではまた!
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