はじめに
先生方、毎日お疲れ様です!
日々、授業作りに奮闘しておられることと思います。
日々の授業は、学級作りの核。
落ち着きがあり、雰囲気のいい学級経営をされている先生の学級では、ほぼ例外なく、楽しい授業が行われています。
1校に1人は、そんな授業ができる、ベテラン先生がいらっしゃると思います。
楽しい授業づくりが、楽しい学級づくりに繋がるのです。
しかしながら、こんなふうに思ってらっしゃる先生方は多いのではないのでしょうか。
ベテランの○○先生のような楽しい授業はできないよ〜
たしかに、楽しい授業づくりができるか否かは、経験がモノをいいます。引き出しの多さでは当然、若手は敵いません。
それに、一定数、「センスがいい」と言われる教師も存在します。表情や言葉選び、授業のテンポがよく、特に工夫せずとも楽しい授業の雰囲気を作り出せる教員です。
でも「経験が大事」「センスの良さが必要」なんて言われて片付けられても、どうしようもないですよね(笑)
具体的に、少しでも楽しい授業を進めるための方策が欲しいところ。
すると、こう考える先生がいらっしゃるかもしれません。
自分は経験もないしセンスも乏しいから、じっくり教材研究と教材づくりをするんだ!
これはいい心がけだと思います。
しかしながら、時間は有限。授業づくりにばかり時間をかけられないのが、今の小学校教育界の現状です。
もし仮に、毎日寝る間を惜しんで授業づくりを行なったとしても、睡眠不足でフラフラの先生の授業はきっと楽しくありません(笑)
そこで、今回の記事では、「誰でもできる」「いつでもできる」楽しい授業づくりのテクニックを3つご紹介します。
学びの本質とは少し外れた、小手先のテクニックに過ぎないものもあるかもしれません。
しかし、日々の授業にエッセンス的に取り入れると、少しの「笑顔」や「笑い」、「やる気」を生み出すことができます。
ぜひ最後までご覧くださいね。
プラン1:教材の主人公を子どもや教師の名前に変える
いきなりホント小手先の技ですが(笑)
教材に出てくる人の名前を、子どもや教師の名前に変えて導入してみて下さい。
国語や算数でよく使えます。
子どもたちにとっては、課題として取り組む文の登場人物が、知っている名前になるだけで、少し身近になります。また、ユーモアが生まれます。
例えば、こんな問題文があったとしましょう。
「たかしさんは、分速40mで歩いて、学校へ向かいました。家から学校までの道のりは、1kmです。家から学校まで、何分かかるでしょうか。」
これを例えば、授業に入る前に、こんなふうに言い換えて導入してみます。
りこぴんさんは、今から学校に行きます。
どのくらいの速さで歩いたかというと、分速40m。
今日の給食何かなーとか考えてたら、歩くスピードが少し遅くなりました(笑)。
りこぴんさんのお家から学校までは、1kmあります。
さて、この調子で歩いていると、りこぴんさんが家を出てから学校に着くまでに、どれくらいかかるのかなあ。
ちょっとだけ、ユーモアが生まれませんか?(笑)
学級の子どもたちが、少しだけ笑顔になったり、「クスッ」と笑ったりすれば、十分目的達成です!
しかしながらふざけ倒してはいけないので、きちんとした問題文を提示することも忘れずに(笑)
例えば先ほどの例題なら、問題文を読み直した上で、
「分速40m→速さ」
「1km→道のり」
「時間が分からない。時間はどうやって求めようか」
みたいな読み取りや流れは必要だと思います。
答えは25分ですね。
私なら、
ちなみに、りこぴんさんが家を出たのは8:00ちょうど。
りこぴんさんは、スライディングセーフで学校に着きました。
めでたしめでたし。
とかオチをつけるかもしれません(笑)
研究授業とかで取り入れられるネタではないですが、教材準備も作戦もほぼ不要でできる工夫です。たまに取り入れてみられて下さいね。
笑顔が生まれます!
プラン2:「突然ですが、クイズです」から授業を始める
「突然ですが、クイズです」は結構なパワーワードです(笑)
大人でも、これ言われると、「えっ、なになに」ってなりますよね(笑)
「突然ですが、クイズです」から授業を始めると、子どもの気を引くことができます。
クイズの内容は、前時の振り返りや、本時にかかわる内容がおすすめです。
例えば、前時の振り返りをしたければ、こんなふうに導入します。
<例1>
突然ですが、クイズです。前回、昆虫の体は、3つに分かれると学習しました。あたま、むね、もうひとつは何でしょう?
<例2>
突然ですが、クイズです。線対称な図形とは、1本の直線を折り目にして、半分に折ると、ぴったりと重なる図形のことでしたね。この1本の直線には、名前が付いていました。何だったでしょう?
などですね。
前者の答えは『はら』、後者の答えは「対称の軸」。
クイズとしていますが、やっていることは、前時の復習に過ぎません。
しかし、ただ前時の振り返りをするより、子どもの食いつきが良くなるはずです。
本時にかかわる内容なら、例えばこんな感じ。
<例3>
突然ですが、クイズです。みなさん、身の回りにはたくさんの車がありますね。車は、機械です。たくさんの部品を使って作られています。では、『たくさん』とは、具体的に何個くらいでしょう?
ちょっと悩みますよね。
ちなみに、答えは約2〜3万個。(多〜っ!とか反応が出れば嬉しいですね!)
自動車の部品をつくる「関連工場」の存在などを調べる、意欲を引き出すことを狙います。
ご自分の持っている知識や、教科書にさりげなく書いてあることを、このようにクイズ形式で知らせるだけでも、十分に子どもを惹きつけることができます。
「突然ですが、クイズです」から授業を始めるのも、準備や作戦ほぼ不要で、授業を楽しくできる工夫です。ぜひお試し下さい!
プラン3:ホワイトボードを準備する
ホワイトボードを、学級の班の数程度は準備しておくことをおすすめします。ホワイトボードはとても便利だし、授業を盛り上げてくれます!
授業にホワイトボードを導入するメリットは、いくつかあります。
- 早く課題が終わった人に、追加作業を与えられる
- 交流材にすることができる
- 板書の一部にすることができる
以上のメリットを踏まえた上で、具体的に活用の仕方を説明しますね。
ホワイトボード活用例①
例えば、算数の授業で、「15÷2」の解き方を考えるとしましょう。
あまりが出ますよね。
あまりがいくつ出るのか、どのように出すのかを考える授業を仕組みます。
その授業を、このように進めます。
①解き方を考えさせる。
②早く解けた人には、ノートに、解き方を説明させるための図を描かせる。
③さらに早く終わった人には、ホワイトボードを渡し、その図を描かせる。
④そのホワイトボードを、黒板に貼らせる。
⑤ホワイトボードの図をもとに、あまりの出し方について、全体で話し合う。
さっさと解き終え、ホワイトボードに図を描くことになった子を、仮にAさんとしましょう。
Aさんが、こんな図を描いてきたとします。
黒板に貼られたこの図を見ながら、
「Aさんは、何でこんな図を描いたんだろう?」
とか、
「Aさんが描いたこの図を使って、誰か解き方を説明して。」
とか、全体交流の場で投げかけるといいと思います。
みんなで話し合うことができますし、課題が早く終わったAさんも、暇になりません(笑)
ホワイトボード活用例②
もうひとつ。ホワイトボードを、班交流に活用した授業例を紹介します。
社会科の学習で、古墳について学ばせる授業を仕組むとします。
その授業の中で、例えばこのように指示します。
古墳時代の人々は、なんのために、必要以上に大きなお墓を作ったのでしょうか。
班で話し合い、出した考えをホワイトボードに書いて下さい。
書き終わったら、黒板に貼りに来て下さい。
この指示を出せば、板書の半分以上は子どもの考えで埋まり、「子どもたちがつくった」板書になります。また、子どもが発表するための材料にもなります。
(この例の場合は、「力の大きさを見せつけるため」「自分の存在の大きさを示すため」など出してくることが予想されますね)
このように、ホワイトボードさえ準備しておけば、子どもが教材づくりをしてくれたり、板書を書いたりしてくれます。話し合いの交流材にもなります!
これも、手の込んだ教材や授業アイデアは必要ありません。
いつでもできるので、いろんな授業でご活用下さい!
ちなみに、ホワイトボードは、ちょっとしたレクレーションや、係活動にも使えます。授業以外にも役立つので、ホント常備しとくのがおすすめですよ!
おわりに
いかがだったでしょうか。どれも、手軽に実践できる内容だったかと思います。
最後にひとつ。
一生懸命、授業の準備をすること自体は、いいことだと思います。
自分も、研究授業でもないフツーの授業について何時間も悩んだり、教材作りに励んだりしたことは、何度もあります。その経験が全て無駄だったとは、今でも思っていません。
頑張っている人の努力を否定するつもりは、全くないんです。
好きでハマって、長い時間熱中して授業の準備をしちゃう人だっています(笑)
しかし、「頑張り過ぎ」は禁物。
しんどいときに、がんばりすぎるのは、自分を大切にできていない働き方です。
ちょっと時間がなかったなあ
ちょっと疲れが溜まっているなあ
そんなときには、少し、今回の記事の内容を思い出して頂き、実践して貰えると嬉しいです。
チョーク一本でも、少し工夫したり、子どもたちの力を借りたりすれば、楽しい授業はできます!
私は、少しでもたくさんの先生が、「笑顔で働ける」ことを願っています。
笑顔が多く、「ちょっと楽しい」授業ができる先生のクラスは、落ち着き、雰囲気が良くなります。
先生の笑顔が、子どもの笑顔になります。
頑張ることも大事ですが、ご自分の心や体のことも大事にされて下さいね。ではまた!
コメント